あれは一年ほど前のことだと思います。
私は友人の会うために電車で京都を訪れていました。彼に会うためには、京都駅に着いたあとで、路線を乗り換えて、円町という京都北部の駅にまでいかなければなりません。
遠い道のりでしたが、どうか円町まで続く電車に乗ったそのときです。
すこし不安そうに電車内の路線図を眺める高齢外国人の集団を見かけました。
私はその人たちをそのままにしておけず、思いがけず声をかけました。マンツーマン英会話レッスンを実践するときです。
いわく、彼らは旅先で偶然出会ったイスラエル人と、オーストラリア人の集団であること。
京都には二条城を見るために訪れたことをどうにか聞きとれました。
イスラエルという国名すら聞き取れず、何度も聞き返したにしては、最終的にうまく理解できたと思います。
彼らは二条城に行くためには、どこの駅で降りればいいのか分からず、とても心配していたそうです。
私は思わず、円町の手前にある二条という駅を指差しました。
彼らははっとした顔で頷き、しきりに礼を言ってくれました。
そして到着した二条駅で楽しそうに電車を降りていったのです。